2016/10/09

Part 3: ハーレーダビッドソンのフューエルインジェクション (EFI)チューニングについて。

それでは、ベースマップを入れ替えるだけってどうなのか?
それをチューニングと言えるのか?

単にベースマップを入れ替えるだけでも、良くなる可能性もありますが、純正データのときよりも”悪くなる可能性もあります。”

チューナーが、ベースマップの各テーブル内容を全て理解し、乗り手と車両を考慮して、実際に車両を走らせてサンプリングしたセンサーデータを基に確認作業まで行い、チューナーの思い描いた通りにエンジンが制御されていれば問題ないのかも知れません。
*しかし、マップを修正しなくてもよいケースは、殆どありません。

単にベースマップを入れ替えて、走行中のセンサーデータを記録/確認をせずに「調子よく走るから問題ない」というのは、かなり危険です。

ベースマップを入れ替えるだけの場合、実際に車両を走らせて空燃比やMAPセンサー、エンジン温度センサー、IACセンサーなどの各センサーを数字を確認していない場合が多いです。

実は、これが問題です。

全てのセンサー、インジェクターや燃料ポンプなどシステムが正常なのか?どうか?は、走行データを確認しないことには分かりません。
ハーレーのDelphiインジェクションシステムが登場してから既に16年も経っています。
当然、センサーも正常に作動できていない車両も少なくありません。
その為、ベースマップを入れ替えるだけの場合でも、その後にベースマップの指示通りにECMがエンジンを制御できているか確認をする必要があります。

(燃料ポンプの燃圧テスト)
例えば燃料ポンプの燃圧が何らかの理由で落ちていた場合、走るけど指定した燃料よりも薄い状態で走っている可能性があります。
また、インジェクターなども精度に多少のバラつきがあったり、正確に作動できていない場合もあります。
多少の不具合レベルでは、乗り手は気が付かないことの方が多いです。
データを見ない限り、プロのメカニックでも気が付くことはないと思います。
でも確実にエンジンには、負担が掛かっています。
こういった不具合も走行データを記録し、その記録データを基にチューニングを行っているショップであれば気が付きます。
正しいチューニングを行っているショップは、チューニング中にも全てのシステムが正常に機能しているかを確認しながら作業を行っています。

つまり、コンピューター(ECM)が、勝手にエンジンを走らせているわけではありません。
ECMは、各センサーからのシグナルを基にマップで指示された通りに作動します。
それでは、指示を出しているのは、誰でしょう?
そうです、チューナーです。
チューナーの指示であるマップが、エンジンにとって良くなくてもECMは指示されたマップに従って作動します。
ECMは、指示された以外のことは何もできないのです。指示が間違っていてもECMが自動的に良い方に修正してくれることはありません。
チューナーは、常にECMをコントロールできている必要があります。

それでは、同じ年式/モデル、同じエアクリーナー/マフラーでは、マップを共有できるのか?
同じ年式で、同じエアクリーナーとマフラーが付いていても10万キロ走ったエンジンと1万キロ走ったエンジンでは当然全く別のもので、Part1Part2で述べた空気流入量は異なってしまいます。
エンジンの圧縮テスト、リークダウンテストをしても全く同じ数字が出ることはありません。
同じ車両は、一台としてないのです。
やはり、そのマップを基に走行データを確認してチューニングを行う必要があります。

ベースマップをECMにプログラムするだけで、走行データを確認し修正を行わない場合は、それをチューニングと言うことは難しいかと思います。
そして、大切なハーレーを壊す原因になります。

それでは、ベースマップって何の為にあるの?

つづく・・・・

EFIチューニングについてのPart1は、こちら。
EFIチューニングについてのPart2は、こちら。

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