アメリカのAIMが開発したCF2クラッチを取り付けました。
トップにある遠心力によって圧着力を上げることのできるモンスターロックアップによって200馬力越えのエンジンにも使用できる最強のクラッチです。
ストリートはもちろんのこと、ドラッグレースや最高速チャレンジなど用途に合わせて調整できるフルアジャスタブル設計です。
しかも、純正のプライマリーカバーに収まるのが嬉しいですね!!
2007年以降のビックツインモデルと2006年のダイナモデルに対応しています。
車両からクラッチを取り外してインナーハブをクラッチバスケットから抜きます。
インナーハブを抜くとこんな感じです。
CF2のインナーハブを圧入します。純正のアルミ製ですが、CF2のインナーハブはパフォーマンスエンジンに使われることが多いので耐久性も考慮して鉄製です。インナーハブを圧入した後にはリテーニングリングを忘れずに取り付けます。
2011年以降のクラッチベアリングは、薄くなっているのでインナーハブにはリテーニングリング用の溝が2箇所に設けられています。
クラッチプレートは、純正が使用できるデザインになっています。今回は、Energy Oneのケブラー素材のエキストラプレートキットを選択しました。純正のフリクションプレートは9枚ですが、これは1枚多い10枚フリクションプレートになります。プレート1枚づつの厚みを少し薄くして10枚のフリクションプレートにも関わらず合計の高さは同じになっています。
クラッチのキャパシティーを上げるのには枚数を増やすことは非常に有効です。しかし増やし過ぎるとクラッチが切れなくなります。やはり何事もバランスですね!
次にプレッシャープレートを取り付けます。
このクラッチの最大の秘密が、このプレッシャープレートにあります。
このクラッチには、錘の大きなロックアップを使用しているため、回転数が上がるとものすごい力でクラッチを圧着します。そのため、そのままでは高回転でクラッチを切ることができなくなります。
そこで考えられたのが、このプレッシャープレートです。
このプレッシャープレートには、6つのピストンが仕込まれています。その中には、計算されたスプリングが入っています。エンジンの回転数が上がってくるとロックアップのレバーが、このピストンを押し下げます。
そして3500回転に達するとロックアップの錘がベースプレートにあたり、それ以上ピストンを押すことができなくなります。これにより3500回転でリミッター効かせることができます。
ハーレーのエンジンの最大トルクは、3500-4000回転あたりででるので、それ以上の回転数では圧着力を上げる必要がありません。
これにより低回転では圧着力を上げ、高回転でもクラッチを切ることを可能としました。
またピストンのスプリングを取り外して、代わりにオプションのスペーサーを入れるとソリッドタイプになりリミッターをカットすることも可能です。
リミッターをカットすると5000-6000回転では、通常の3倍以上の力で圧着するので最高速チャレンジなどにはかなり有効です。
シムを使うことによってクラッチスプリングの強さを細かく調整が可能です。
クラッチスプリングには、コイルスプリングを使用しています。
コイルスプリングは、強さによって3種類用意されています。
ダイヤフラムスプリングと違い、コイルスプリングだと取り付けるスプリングの数やシムによって細かくスプリングの強さを調整できます。
なぜ?そこまで細かく調整できるように設計しているかというと滑らせるためです。
路面の状況やタイヤ、エンジンの仕様に合わせてクラッチを調整すると、ドラッグレースなどのスタートでクラッチレバーを弾くだけでフロントタイヤが浮くことなくスタートすることができます。
つまり、スタート時に意図的にクラッチを滑らせフロントタイヤが浮くのを防ぎ、その後はロックアップで圧着させるということです。
いよいよロックアップの取り付けです。
錘も調整が可能です。
あとはプライマリーカバーを取り付けて、クラッチを調整して終了です。
スプリングや錘の交換は、ダービーカバーを取り外すだけでできるのでドラッグレース場でも短時間で調整が可能です。
今回は、純正のクラッチバスケットを使用しましたが、強度の高いビレットクラッチバスケットも用意できます。
CF2クラッチにご興味のある方は、HRDまでお気軽にお問い合わせ下さい。
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