2016/10/21

Part 3:ナイトロスオキサイドシステム (Nitrous Oxide System)について!

それでは、どうやってナイトロスオキサイドシステムを制御していくのか?

まず、考える必要があるのは、「ナイトロスオキサイドシステムでどのくらいの酸素(亜酸化窒素)をエンジンに供給したいのか?」です。
当然、供給量が多ければ多いほど馬力は上がります。
大げさな話しではなく、既存の馬力に+100馬力も可能です。
ただし、エンジンが耐えることができればですが・・・
その為、ナイトロスで追加する馬力によっては、フライホイールの強化やWPCなどの表面加工など各パーツの耐久性と精度を上げるなどの対策を必要とします。

では、どうやって亜酸化窒素やガソリンの供給量を調整するのか? 
供給量を調整、もしくは影響を与えるものは幾つかあります。

その一つがジェットのサイズです。 ナイトロスオキサイドシステムのノズルには、ジェットが取付らるように設計されており、そのジェットのサイズで調整が可能です。
ジェットの穴径を大きくすれば、より多くの亜酸化窒素をエンジンに供給できるということになります。
ウェットショットの場合は、ガソリンの量も同じようにジェットのサイズで調整が可能です。
キャブレターのジェット交換と同じような感じですね。

二つ目は、ナイトロスボトル内の圧力です。
ナイトロスボトルの中には、亜酸化窒素が充填されています。
亜酸化窒素を使用していけばボトル内の圧力は低下していきます。
圧力が下がれば、時間あたりに噴射される量も少なくなっていきます。
つまり、亜酸化窒素でボトルが満タンになっている時と、半分になった時ではエンジン内に供給される酸素の量が変わっているということです。
これは、エンジンにとって問題ですね。

なぜなら、同時に送られているガソリンは、電気式の低圧ポンプで送られています。
ポンプの圧力は電気式なので一定です。
ボトルの圧力は低下して酸素の供給量は徐々に少なくなっていくのに対して、ガソリンは同じ量が供給されていくことになります。
つまり、入ってくる酸素に対してガソリンが多過ぎる状態なるのでエンジンのパワーは低下します。
だからと言って吹き始めでガソリンの量を減らしておくと空燃比が薄くなってしまうので危険です。
もちろん、ポンプも選択したものによって圧力は違います。

そこで、まずはボトルの圧力をコントロールすることが重要になってきます。
しかし、これが簡単ではありません。
ボトルのサイズによって圧力の低下速度は違います。
小さいボトルでは、圧力が低下するのも早いです。

外気温によってもボトル内の圧力は変わります。
気温が低ければ圧力は下がりますし、気温が高ければ上がります。
つまり、冬と夏ではボトルが満タンな状態でも圧力は違うのです。

つづく・・・


ナイトロスオキサイドシステムについてのPart 1は、こちら。
ナイトロスオキサイドシステムについてのPart 2は、こちら。


*ナイトロスオキサイドシステム、制御システムにご興味のある方は、HRDまでお気軽にお問い合わせ下さい。

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