ナイトロスオキサイドシステムと言ってもボルトオンキットで、ただ取り付ければ良いというものではありません。
また、使用目的によって、ジェットのサイズ、モジュールでのコントロール、ボトルヒーター、レギュレーター、プレッシャーゲージなどいろいろシステムを組み合わせていく必要があります。
その為には、EFIチューニングの技術に加えてエンジンというものをもう少し工学的な面で把握できている必要があります。
当然のことながらノーマルエンジンとJIMS135のような2000ccを超えるエンジンでセッティングが同じで良いわけがありません。
ナイトロスオキサイドシステムには、大きく分けてドライショット (Dry Shot) とウェットショット (Wet Shot)があります。
ドライショット (Dry Shot):
ドライショットは、亜酸化窒素(Nitrous Oxide)を噴射した際に、一緒にガソリンを噴射しません。
その為に、亜酸化窒素を噴射した際に、ガソリンが足りず非常に薄い状態で燃えることになります。
亜酸化窒素の噴射によって増えた酸素に対して、その分のガソリンが供給されていない状態です。
基本的に空冷エンジンのハーレーダビッドソンにとっては、危険性が増します・・・。
噴射量を少なくして余りパワーを上げず、噴射時間も短い場合は有効かも知れませんが、やはりエンジンには良くないです。
メリットは、部品点数が少なく、費用も抑えらることです。
エンジンのことを考えるとデメリットの方が大きいかも知れません。
エアクリーナーのところにノズルが付いたナイトロスキットなどは、多くの場合はドライショットです。
亜酸化窒素のラインが入るだけですのでシングルになっています。
ウェットショット (Wet Shot):
ウェットショットは、亜酸化窒素(Nitrous Oxide)とガソリンを同時に噴射します。
その為、正しいセッティングをすれば増えた酸素に対して同時にガソリンを供給するので薄く燃えることなく、エンジンにとって比較的安全に制御することができます。
また、ドライショットに比べ大幅にパワーを上げることが可能です。
デメリットは、専用の燃料ポンプなど部品点数が増えるので費用が掛かります。
ウェットショット用のピラニアノズルです。
亜酸化窒素とガソリンのラインが入るようにY字になっています。
フューエルインジェクションチューニングも、ナイトロスオキサイドシステムの制御/チューニングも、感覚やノリではなく、エンジンの基本的な工学的知識があれば可能なのです。
それでは、どうやってナイトロスオキサイドシステムを制御していくのか?
つづく・・・・
ナイトロスオキサイドシステムについてのPart 1は、こちら。
*ナイトロスオキサイドシステム、制御システムにご興味のある方は、HRDまでお気軽にお問い合わせ下さい。
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